TeXTouch なるアプリを購入すれば,見かけ上,iPad側でLaTeXを使えるようになるのだそうだ.
仕組みは,iPadでLaTexのソースファイルを編集し,DropBox経由でそのファイルをPC側でコンパイルしてPDFファイルを作成させ,再びDropBox経由で結果をiPad側で閲覧するというちもの.ちょっと面倒ではあるが面白い.
LaTeXを使ってもう10年以上,iPadを使い始めて4ヶ月の私が心惹かれぬわけが無い.
しかし,TeXTouchは1200円も?する.ただでもできそうでもあり,以下は昨日から試した結果のメモ.
- LaTeXをインストールしてあるPCを用意
このPCにはDropBoXもインストールしておく.私はテスト用にWindows7のノートPC(無線LANでネットに接続)を使用. - TexTimer を PCにインストール
TeXTimer は TeXTouch と連携してPC側でLaTeXのコンパイルをさせるためのソフト.要は,PC内のDropBoXにある*.texファイルが変更されたかどうかを感知して,変更されたtexファイルをコンパイルしてPDFファイルを作成する,というもの. TeXTouchの作者のホームページからダウンロードすることができる.
インストーラの画面はドイツ語でわけのわからぬまま,まぁこんなところかと「かん」でインストール.立ち上がった後は英語で表示されるので問題なし. - platex.exe のあるフォルダ(私の場合は c:\usr\local\bin)に以下の内容(2行だけ)のバッチファイルを作成しておく.
- start /WAIT platex.exe %1
- start dvipdfmx.exe %~n1.dvi
これをたとえば,tex2pdf.bat とする. - start /WAIT platex.exe %1
- TexTimeを立ち上げ,表示される画面で
- 1番目のコンパイラパス(Compiler path)の欄に上で作成した tex2pdf.bat を設定
- 2番目のコンパイラパラメータの欄は空白にする.
- 3番目のモニターするフォルダの欄を DropBox のフォルダに設定.
こうしておいて- PC側で何か適当なLaTeXソースファイル foo.tex を用意して,DropBoxのフォルダに入れておく.
- iPadのDropBoxでは,このfoo.texは閲覧はできても編集はできない.
- そこで GoodReaderを使う.
- GoodReaderの Web Download ⇒ Connect to Servers から DropBox に接続
- foo.tex を ダウンロード
- ダウンロードした foo.tex を GoodReaderで開こうとすると,拡張子 *.texではテキストファイルと自動認識してくれない.で,TXT Viewer をマニュアルで選んでやる.
- また文字コードが違うとおこられるので,PC側 Windowsに合わせてShiftJISに変更する(GoodReaderの設定で Text Encoding を DOSJapanese としておく).
- これで普通にGoodReader で foo.tex を編集することができる.
- GoodReader から DropBox に foo.tex をアップロードする.アップロード,ダウンロードなどの手順はここ などを参照
- 1番目のコンパイラパス(Compiler path)の欄に上で作成した tex2pdf.bat を設定
- すると見事にPC側でLaTeXのコンパイルが始まり,pdfファイルが作成される.
- これをiPad側で見れば良い(DropBoXで直接,あるいは上のようにGoodReadrerのダウンロード機能を用いても良い).
- もちろん,iPhone でもまったく同じように出来る.G3経由で試してみたが,OK!
ちょっと面倒だけれど,無料で(TexTimer はfreeでダウンロードできるようだし,GoodReaderはすでに持っていたので),iPad上でLaTeXが使えるようになった(もちろんネットに接続出来て,しかもTeXをコンパイルできる自分のPCが動いていなければ駄目だが)
iPad上で長い文章をLaTeXで作成するというより,ちょっとしたミスなどを修正する必要が出来たときになどには,このやり方で十分だろう.ただGoodReaderは色々できて便利ではあるが,ファイルの編集とDropBoxとのやりとりがちょっと面倒だ.DropBoxと直接ファイルをやり取りできるエディタがあれば手順はもっと簡単になる(DropBox連携のエディタは沢山ありそうなので調べる価値はありそう).
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